大和街道
昨年末から三重県内の街道を歩いている。
今回は三重県から奈良県に向かう「大和街道」を歩くことにした。
大和街道のスタート地点は東海道関宿で、ゴールは奈良。初日は中間地点である伊賀上野まで歩けば良い。
そういうわけでGPSトラックを作成し、eTrex32xにそれを入れ、当日の朝を迎えることとなった。
ザックを担いでギリギリの時刻で自宅を出発し、最寄り駅に走って向かう。名古屋駅までは地下鉄で移動し、名古屋駅からは亀山行きのJRで移動。亀山でさらに乗り換えれば次の駅が関駅である。
名古屋駅までは順調だったのだが、名古屋駅の関西線ホームに上って、異変に気づいた。乗り換え検索でヒットした列車が無いのである。ちゃんと10月1日で検索しているのにどういうことなんだろうか。おそらくは2023年とか2021年とかの違う年で検索した結果、平日ダイヤを探し当ててしまったんじゃないか、と。
おかげで予定?よりもかなり遅れた関駅到着になってしまう。何よりも亀山駅での乗り換え時間が長いのは痛い。
しかも亀山駅で降りてみたは良いものの、駅前の鳥居がなくなってるわ、トイレに行きたくても駅のトイレ以外は駅前に無いわで、結局何もせずに次の乗り換えまでただただ駅前を歩いただけになってしまった・・・
なんつーか、前途多難だ。
その悪運はこの後、歩行中の体調にも現れてしまう。。。
さて、早朝の関宿は何度か来ているのだが、やはり何度来ても美しい。
関宿にはちょっとほろ苦い思い出があって、ここに来るとそのことを思い出してしまう。まあ、その話はいつかこのブログに書こうかと思っている。
さて、宿場町を西に歩き切ったところに、西の追分がある。ここが東海道と大和街道との分岐点だ。大きな街道の分岐点らしく、↓のような立派な道標がある。
「南無妙法蓮華経 ひたりハいか やまとみち」と書かれている。伊賀を目指すのでここは左へ向かう。
追分で東海道から大和街道に入ってすぐ、このような川が。
水が綺麗だ。
川を越えてしばらくは心も体も軽やかだったのだが、歩いていくうちに体がだんだんきつくなってきた。例の持病が出てきたのである。
このとき正直、次の最寄り駅でリタイアするべきという考えが頭をよぎった。こんなコンディションじゃ、とてもとても四十キロ先の伊賀上野まで行けるわけがない。
ただリタイアするにも最寄り駅までは自力で歩かなければならないわけで、最寄りのJR加太駅まではけっこう距離がある。なんとかたどり着ければ良いのだが・・・
不調はGPSウォッチの使い方にも現れた。今回の旅はeTrex32xとInstinct2の2台体制でGPSログを取ると同時に、Instinct2にも同じトラックファイルを入れておいたのでナビ機能を使えるはずが、軌跡を表示しても自分が歩いているはずの場所に線が表示されない。正確には、登録した大和街道とは違う場所を自分が歩いているように見える。なんなんだこりゃ・・・
あとで分かったことだが、Instinct2でアクティビティを開始する前にGPS測位をせずにいきなり開始していたようで、自分が今どこにいるかわからない状態で記録を開始してしまったようだ。。。
いろいろと残念なことになりながらも、加太駅に近づく頃には体調がかなり良くなってきた。ああ助かった。旅を続けられる。
ただ、もうひとつ問題があった。水の確保である。かつて街道旅行中に深刻な水不足を2度経験したことのある自分は、知らない道を歩くときにはどこで水が確保できるか分からんので自販機を見つけたら必ず予備の水を買うようにしているのだが、この日はどうも別のことに気を取られていたらしく、関駅でペットボトルを買うのを忘れてしまっていた。そして、西の追分から加太駅に着くまでにひとつも自販機が無い。
お地蔵様にあげる水もない。
これからの長旅を考えれば、加太駅で水を確保しなければ大変なことになる。是が非でも水を多めに確保したいところだ。まあ、田舎とは言えさすがに駅前ぐらいは自販機のひとつやふたつはあるだろう。
そう思っていた自分が甘かった。
加太駅には自販機のジの字も無かったのだ。
そしてこれも後で・・・正確には帰りの電車の中から見てわかったことだが、駅前の自転車置き場の中に自販機があるようで、自分が歩いてきた場所からはそれが見えなかった。あー、人目につく場所に置いてほしいもんだ・・・。
自販機がなかったので仕方なくトイレの水道で喉を潤して、加太駅を後にした。
そして運がよいことに、加太駅を出て少しのところで自販機を見つけたのだった。ちょっと前まで商店をやってたような雰囲気の店の前に自販機があったので、ありがたく何本か買わせていただいた。これで旅が続けられる。
水を確保して元気になったのでどんどん歩く。しばらくすると、このような橋が!
こりゃあすごい。柵もガードレールもない。酔っ払って歩いたら川に落ちるかもしれんで。橋の上から川を見ると↓な感じ。
美しいよー、美しいよー。
川を渡ってちょっとのところに大和街道の案内板があった。
途中で道標を見つけたのだが、上がポッキリ折れていて何が何だかわからない・・・。
歩いているととても良い香りがすると思ったら、キンモクセイの大木が。
さて。大和街道を歩いていると、けっこうな頻度で石仏に出会う。
歩いているうちに昼の時間帯に突入してくる。目の前には鴉山池という大きな池が広がっている。道中に店がないことはあらかじめわかっていたので、池のすぐ近くで、カバンに入れておいた賞味期限切れのカロリーメイトを食うことにした。
味気ない昼メシを終えて、すぐにまた歩き出す。
池を越えてしばらくのところで旧道は国道25号線から分岐し、柘植の街中に入っていく。
↓家康ゆかりのお寺:永徳寺ちかくの分岐点にて。ちょっとしたスペースに案内看板と道標がある。
このあたりでやや疲れてきたので、道の脇を流れる水とその中に棲むカワニナを眺めながら、休憩する・・・。そういえば最近はあまり歩いていなくて、長距離を歩くのはかなり久しぶりだった。
ちょっと休憩して、また別の場所でも休憩して、のんびりと伊賀上野に近づいていく。
伊賀上野の市街地のちょっと手前。
市街地に入る直前には、立派な道標が。
そしてこの日のゴール地点である、伊賀街道との分岐点に16時34分、到着した。
これにて大和街道の前編の旅は終了になる。後編は伊賀上野から奈良のゴール地点までとなるが、三重県内のルートは詳細がわかっているのだが京都府内と奈良県内のルートが未だよくわからない部分があるので、後編を歩くのは少し後の、おそらく年明け以後になるだろう。
ホテルに向かう途中の道に、このような横丁が。
そして、17時の早い時間帯での夕飯は伊賀牛を。
夕食後は外が暗くなったので、夜の伊賀上野の町を歩いてみた。夜もまた風情があって良いので写真撮影などをし、ホテルちかくの酒屋で地酒を2本ほど買って、部屋に戻って飲んでみた。
一日中歩いてきたのに全然眠たくならなかったのには困ったw。